中津川プロジェクト
中津川プロジェクトとは
高大連携教育プログラム(短期集中型) 「中津川プロジェクト」は、夏休みを利用して、2泊3日で行われています。
企画の狙いは「既存の学問領域や、高校の教科の枠組みにとらわれることなく、名古屋大学での教育・研究につながり、広い意味でその基盤になるものを実施し、名古屋大学教育学部附属高校生の視野を広げて学習意欲を高め、名古屋大学の求める学生像と教育内容への理解を深めること」です。
<2018年度 中津川プロジェクト>
☆学習テーマ 「よむ かく みる ふれる ときはなつ」
・目的 教科を超えて学問に触れる 社会や大学の学問と連携する
・日時 平成30年8月6日(月)~ 8月8日(水) 2泊3日
・場所 奥矢作レクリエーションセンター(岐阜県恵那市串原1149番地)
・企画紹介
- 1 <日本最古の石に触れて地球の歴史を考えてみよう>
- 環境学研究科地震火山研究センター 足立守先生
- 日本列島の歴史が約35億年前の先カンブリア時代(Precambrian)前期まで遡ることを知っていますか?その証拠は、岐阜県七宗町の上麻生礫岩に含まれる日本最古の石(21億年前)から見つかっています。名古屋大学で開発されたCHIME年代測定法によって、日本最古の石には約35億年前の日本最古の鉱物(ジルコン)が含まれていることが分かりました。本プロジェクトでは上麻生礫岩を訪れ、日本最古の石と飛騨川沿いの様々な地層・岩石を観察します。さらに、硬い層状チャート特有の地形、飛騨川によってチャート層に刻まれた甌穴などを見学して、日本列島のルーツと環太平洋造山帯の歴史を学びます。
- 2 <統計データ・リテラシー入門>
- アジア共創教育研究機構/経済学研究科 根元次郎先生
- 現行の指導要領では数学Ⅰで「データの分析」が取り上げられ、データの分布と代表値、データの相関について学習します。しかし学んだ内容を実社会の統計データに応用しようとすると、さまざまなバイアスが存在するために、かえって誤った解釈を導きかねません。バイアスの存在について理解するためには、データの背後に社会科学的な構造や人間の行動が存在することに気付かねばなりません。そこでまず前半では、標本調査にともなうバイアスや、分布の代表値と分布の関係、平均値が与える錯覚など、典型的なデータ利用法の誤りを取り上げます。さらに後半では、相関係数を活用する場面での、因果関係を意味しない見せ掛けの相関の問題について、具体的なデータに触れながら議論します。
- 3 <ドクターGと一緒にチーム医療を体験しよう>
- 医学系研究科 岡崎研太郎先生、高橋徳幸先生
- 総合診療医ドクターGをご存知ですか?ドクターGと一緒に、ゲームやクイズをしながら、患者の症状から病気を解き明かしましょう。グループ対抗でチーム医療に関するクイズやゲームを行い、医学の世界に誘います。楽しみながら医療を支える様々な職種があることと、その役割を学びます。また、グループワークをする過程で、チーム医療に必要な、それぞれの職種の役割を理解し責任を分担、協働する大切さを学びます。チームコミュニケーション能力の基礎を築きましょう。
- 4 <新しい社会の法を構想する>
- 法学研究科 中東正文先生
- 世の中に「正解」はありません。社会的課題に対応するために法律を制定(改正)する場合にも同様です。自ら課題を発見し、自ら分析し、課題への対応策を法制定、または法改正の形で提案してもらいます。班単位で立法提案してもらいますので、事前に各自のアイデアを用意して持ち寄りましょう。そのためにも、新聞等に日頃から目を通して、社会で起こっている問題に関心を持つとともに、自分ならばどう考えるか、どう対応するのかという意識を持つようにしてください。法学的な素養のなかでも、他の学問領域にも共通する「なぜ?」という問いの積み重ねを大切にしつつ、自分たちの分析と提案を「他者に伝える」(「説得の学問」についての法学)ことを学び取ってください。
- 5 <見えない電磁波の不思議>
- 工学研究科 藤巻 朗先生
- 私たちは毎日、スマートフォン(スマホ)を使って生活しています。スマホは非常に便利で、いろいろ情報を提供してくれたり、GPS機能をつかって知らない場所への道案内もしてくれたりします。これらはすべて、電磁波(電波)を通じて行われています。さて、あまりにもありふれている電波ですが、よく考えてみると、何の波なのでしょうか。GPS衛星のいる宇宙空間は真空中ですので、物質はほとんどありません。今回の企画では、目に見えない真空や電波の不思議について、実験を通して、みんなで考えてみます。
- 6 <水晶探しをして、選んだ小水晶をマイクロマウント標本にする体験をしよう>
- 中津川市鉱物博物館 大林達生先生